
9月2日AM2時に今年もAppleイベントが開催。新製品がいくつか紹介されましたがユーザーが最も注目しているのはやはりiPhone 14シリーズ。
いつもは発表から2日後ぐらいに予約開始されるんだけど、今年は翌日スタートという鬼スケジュール。
はたしてiPhone 14シリーズは買いのスマホなのか、カタログスペックをまとめつつ検討して明日に備えます。
本記事の目次(タップでジャンプ)
iPhone 14シリーズの進化ポイント
まずはiPhone 14になることで進化するポイントをざっくり紹介。
処理能力の進化

毎度恒例だけどチップセットがA16 Bionicに更新、さらに処理能力が向上しています。
ただ、iPhone12で既にスマホの処理能力の差は体感できるものじゃなくなっているからそこまで重要視する部分でもない気がします。僕がベンチマークアプリを使ってスマホの処理能力を計測した結果は下記のとおりで、
- POCO F4 GT(Snapdragon 8 Gen 1):988,836
- iPhone 13(A15 Bionic):832,512(Web調査)
- Google Pixel 6a(Google Tensor):746,562
- iPhone SE3(A15 Bionic):734,950
- Xperia 10Ⅳ(Snapdragon 695 5G):392,567
- OPPO Reno7 A(Snapdragon 695 5G):380,669
- Redmi Note 11 Pro 5G(Snapdragon 695 5G):364,419
- Redmi Note 10 Pro(Snapdragon732G):339,728
- Redmi Note 11(Snapdragon680):235,149
おそらくiPhone 14の処理能力はSnapdragon 8 Gen 1と同等かそれを上回ってくる性能。いずれにしろスマホ市場でトップクラスの性能であることは間違いないはず。
注意点として無印/Plusモデルは1世代前のA15チップ搭載というところ。ただすべて同じというわけでもなく、iPhone 13 Proに搭載されていたGPUコア数の多い上位グレードに変更されているので映像処理能力が一応向上しています。
| 搭載チップ | 無印 | Plus | Pro | Pro Max |
| iPhone 13 | A15 Bionic(6コアCPU、4コアGPU) | - | A15 Bionic(6コアCPU、5コアGPU) | A15 Bionic(6コアCPU、5コアGPU) |
| iPhone 14 | A15 Bionic(6コアCPU、5コアGPU) | A15 Bionic(6コアCPU、5コアGPU) | A16 Bionic(6コアCPU、5コアGPU) | A16 Bionic(6コアCPU、5コアGPU) |
バッテリー持ちの進化
iPhone 14のバッテリー持ちはさらに向上しているようで公称値だと約10%の改善が期待できます。
具体的にiPhone 13のバッテリー持ちと比較してみると下記のとおり。
| バッテリー持ち | 無印 | Plus | Pro | Pro Max |
| iPhone 13 | ビデオ再生最大19時間 ストリーミングビデオ再生最大15時間 オーディオ再生最大75時間 | - | ビデオ再生最大22時間 ビデオ再生(ストリーミング)最大20時間 オーディオ再生最大75時間 | ビデオ再生最大28時間 ストリーミングビデオ再生最大25時間 オーディオ再生最大95時間 |
| iPhone 14 | ビデオ再生最大20時間 ストリーミングビデオ再生最大16時間 オーディオ再生最大80時間 | ビデオ再生最大26時間 ストリーミングビデオ再生最大20時間 オーディオ再生最大100時間 | ビデオ再生最大23時間 ストリーミングビデオ再生最大20時間 オーディオ再生最大75時間 | ビデオ再生最大29時間 ストリーミングビデオ再生最大25時間 オーディオ再生最大95時間 |
miniモデルと入れ替わりで追加された大画面のPlusモデルは大容量バッテリーが搭載されているからiPhone史上最長のバッテリー持ち。
他モデルのカタログスペックも約1時間ほど強化されています。
ただ、ディスプレイ輝度や処理能力も向上しているから実際のところは購入してから確認していく予定。
カメラの進化

iPhoneのカメラ性能がスマホ界隈トップクラスなのは周知の事実だと思うんだけど、iPhone 14ではセンサーサイズやF値が変更されたので暗所性能の向上に期待。
具体的には無印モデルのピクセルサイズが1.7から1.9μm、Pro / Pro Maxは1.9から2.44μmに大型化。
F値も変更されているのでISO感度を上げることなく明るい写真が撮影でき、ノイズの少ない写真が撮影できるかもしれません。
本体の進化

本体についての大きな変化はありません。デザインも従来機と瓜二つ。
あえて挙げるなら重量が1グラム単位で変化したぐらいで体感できる人は超能力者だから誇って大丈夫。
| 本体サイズ | 無印 | Plus | Pro | Pro Max |
| iPhone 13 | 147×72×7.7 mm | - | 147×72×7.7 mm | 161×78×7.7 mm |
| iPhone 14 | 147×72×7.8 mm | 161×78×7.8 mm | 148×72×7.9 mm | 161×78×7.9 mm |
| 本体重量 | 無印 | Plus | Pro | Pro Max |
| iPhone 13 | 173 g | - | 203 g | 238 g |
| iPhone 14 | 172 g | 203 g | 206 g | 240 g |
iPhone 14 Proモデルのみの変更点
ここからはProモデルのみの進化点を紹介していきます。
どこでも見やすいディスプレイ

解像度も従来どおりですがPro/Pro Maxはピーク輝度が2,000ニトに変更されたので屋外でもさらに見やすい画面へ進化しました。外出先でもよくスマホを使う人には嬉しいポイント。
またiPhoneにも常時表示ディスプレイが導入。おかげでスマホを起動させることなく時刻、バッテリー残量、通知を確認することができるようになります。

超省電力モードで動いてくれるからバッテリー持ちにもほとんど影響なし。
ノッチがついに変更
iPhoneといえばあの巨大なノッチの印象だったんだけど、iPhone 14 Pro/Pro Maxからはフロントカメラ部分がパンチホールに変更。
ただAndroidとはすこし形状が違って、Face IDの精度を高めるためにも横長のデザインをAppleは選択。

通知アニメーションも刷新されて、まるでパンチホール部分が拡大縮しているかのような動きをするようになります。ちょっと変わったパンチホールをただのデザインではなくすための面白い仕様。
Androidは極限の目立ちづらさを実現していたのに対し、iPhoneはディスプレイに馴染む方向性を追求した感じ。
広角カメラの仕様が大幅変更

カメラのセンサーサイズやF値の向上は上でも書いたとおりなんだけどiPhone 14最大の変更点は広角カメラの仕様。
iPhoneが数年間に渡って守り続けてきた1,200万画素カメラ神話を破って、iPhone 14 Proからはついに高画素化へ踏み込んでしまいました。

昼間は超繊細な4,800万画素、夜間は光量確保のために4つのピクセルを1つにまとめて1,200万画素にするビニング機能も搭載。
センサーが高画素になると暗所でノイズが発生しやすくなる可能性もあるので、はたしてこれが吉と出るか凶と出るかは試してみないことには分からない。
あと焦点距離が主流の24mmに変更、手振れ補正が第2世代へ強化されたのも地味に嬉しい。
2倍望遠オプションが追加

高画素化した広角カメラのセンサーを活かした2倍の望遠オプションが追加。
高画素の写真や映像をクロップ表示しているようなものなんだけど、iPhoneで映像作成をしている人は撮影のバリエーションが増えるので楽しいかもしれません。
iPhone 13シリーズの詳細なスペック

改めてiPhone 14シリーズのスペックをまとめみると下記。
ついでに同じA15 Bionicを搭載したiPhone SE(第3世代)も載せておきます。
| iPhone 14 | iPhone 14 Plus | iPhone 14 Pro | iPhone 14 ProMax | |
| CPU | A15 Bionic | A15 Bionic | A16 Bionic | A16 Bionic |
| メモリ | - | - | - | - |
| ストレージ | 128/256/512 GB | 128/256/512 GB | 128/256/512 GB 1 TB | 128/256/512 GB 1 TB |
| ディスプレイ | 6.1インチ(60Hz有機EL) | 6.7インチ(60Hz有機EL) | 6.1インチ(120Hz有機EL) | 6.7インチ(120Hz有機EL) |
| 解像度 | 2,532×1,170 | 2,778×1,284 | 2,556×1,179 | 2,796×1,290 |
| カメラ | 広角(12MP) 超広角(12MP) | 広角(12MP) 超広角(12MP) | 広角(48MP) 超広角(12MP) 望遠(12MP) | 広角(48MP) 超広角(12MP) 望遠(12MP) |
| バッテリー・充電 | - | - | - | - |
| 認証 | 顔認証 | 顔認証 | 顔認証 | 顔認証 |
| SIMスロット | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
| eSIM | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| おサイフ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ワイヤレス充電 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 防水・防塵 | IP68 | IP68 | IP68 | IP68 |
| サイズ | 147×72×7.8 mm | 161×78×7.8 mm | 148×72×7.9 mm | 161×78×7.9 mm |
| 重量 | 172 g | 203 g | 206 g | 240 g |
| 価格 | 119,800円~ | 134,800円~ | 149,800円~ | 164,800円~ |
円安の影響も受けて1番安いはずの無印モデルでさえ10万円を超えてきたiPhone 14シリーズ。
細かな変更点こそあったものの絶対買いというレベルではないというのが正直な感想。iPhoneもいよいよ成熟し尽くした感が否めません。
miniモデルの消失

Twitterを見ているとminiモデルの消失は意外とショックに感じている人が多い印象。
たしかに手がビックサイズの僕でも許容できるスマホの大きさが6.1インチぐらいだから、ほとんどの人がiPhoneの背中にバンカーリングを取り付けている気がします。
コンパクトなスマホが欲しい人にiPhone 14はオススメできません。おとなしくiPhone 13mini、もしくはデザインが変更されるであろうiPhone SE4の登場を待ちましょう。
iPhone 14 無印/Plusは端役

今年のAppleは無印と新たに追加したPlusモデルをあえて端役にすることでPro/Pro Maxモデル、もしくはiPhone 12や13の従来機で利益を上げる戦略。
Twitterなど各所のコメントを見ていても買うならProモデルという話ばかり。ちなみに僕もProモデルを購入する予定。詳しい理由は下記。
目新しさが皆無

歴代iPhoneシリーズでも無印モデルはチップセットが新しくなったり、1世代前のカメラシステムが流用される程度でしたがiPhone 14ではチップセットの変更すら実装されず。
つまりiPhone 13からiPhone 14へ乗り換えても感動はほぼ皆無。一方でProモデルはノッチ部変更や高画素カメラなど前作との明確な違いが存在します。どちらが気になるとなれば注目されるのはProモデル。
合コンでイケメン陽キャとブサメン陰キャの二人が並んだときに前者が人気なのと同じ法則。
10万円越えの無印モデルは安くない

最近はハイエンドスマホの高騰で金銭感覚がバグり気味だけど、10万円を超える買い物はやっぱり高い。僕が大学生のときに使っていたゲーミングPCと変わらない値段なんだから。
このレベルになると数万円の価格差ってあんまり気にならないから不思議。
最新型が好きな人はちょっと頑張ってでも高機能なProモデルを買うし、安さ重視ならMNP割引されたiPhone 12や13を買ったほうがいい。そういうことを考えているとiPhone 14 無印の存在価値ってなんや?という疑問に辿りつきます。
iPhone 14 Plusも微妙

じゃあiPhone 14 Plusはどうなんですかって話になると思うんですが、これはさらに判断に困るところ。
なぜなら無印から1.5万円課金してPlusにするメリットが大画面とバッテリー持ちだけだから。どちらもたしかに魅力的。でもPlusにするとProとの差額がさらに詰まる。じゃあ望遠カメラも付いてノッチも変わるProでってなります。
ユーザーを巧みに惑わしてProモデル購入へと導く、これがAppleの処世術。
2022年はAndroidの希望の星

ということでiPhone 14 Proの購入は決定事項なんですが、今年はAndroidが巻き返す絶好のタイミングなんじゃないかと思います。
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