
コアなゲーミング層から支持を集めているVAXEEは無線マウスの品揃えを増やしていて、今回紹介する「ZYGEN NP-01S Wireless」もそのひとつ。
マウスとしては強気な価格設定なんだけど、値段相応のしっかりとした質感がかなり好印象だったからレビューしていく。
| メリット | デメリット |
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ZYGEN NP-01S Wirelessの特徴

NP-01S Wirelessの特徴をまとめたのが下記のとおり。
- 左右非対称の微エルゴノミクス形状
- 無線モデル(2.4GHz USB)
- 69グラム
- ボディの質感が秀逸
- どちらかといえば静音なボタン
- 18,900円
冒頭でもいったとおり、有線モデルだったZYGEN NP-01Sを無線モデルに改修したのがこのマウス。
有線モデルとほぼ同じパーツで構成されてるから使用感にそこまでの違いはないんだけど、ホイールの読み取りを光学式からメカニカルに変更したらしい。
あと、ちょっと驚いたのが重量。バッテリーを搭載する以上、増量からは逃げられない思っていたら、有線モデルと同等かむしろ軽くなっているみたいなんだ。VAXEEの謎技術がここに発揮される。
新センサーにもなってるし、予算に余裕があるなら有線モデルをあえて選ぶ理由はなくなった。
ZYGEN NP-01S Wirelessの外観と付属品

じゃあ、NP-01S Wirelessの外観をチェックしていく。
色の種類はブラック、ホワイト、ピンク、イエロー。それと無線モデルにはブルー、オレンジの新色が追加されて全六色での展開。可愛らしい部屋作りをしてる人にもおすすめできるようになった。
内容物はこんな感じ。

- マウス本体
- USBケーブル
- USBレシーバー
- レシーバー延長アダプタ
トップからだと左右対称に見えるんだけど、じつは左右非対称のエルゴノミクス形状。

裏側を向けるとわかりやすくて、小指側はかなり先端で括れが始まっているんだ。しかも、しっかりとホールドしやすいように親指側の括れは深めに設計。

ボトムには四つのボタンを配置。これはVAXEE製品の特徴なんだけど、メインボタンとサイドボタン、そして豊富なボトムボタンの組み合わせることで全設定が変更できるからソフトウェア要らずなんだ。

マウスソールはPTFE材質で、厚みは約0.6ミリを採用。さらに薄い0.45ミリのソールも純正品で販売。ただ、最近のセンサーはかなり安定してるから交換するメリットはそこまでないと思う。

ボディ表面はもちろんマット加工。質感はサラサラというよりは吸い付くようなしっとりした感じで、指が全然滑らなくて操作しやすい。

ホイール直下には二つのLEDランプが搭載されていて充電状況が把握できる。

ちなみに充電中は交互にランプが点滅し、充電が完了すると両方のランプが点灯する仕組み。


フロントには充電用のType-Cポートを搭載。

ポート奥行きが浅めに設計されてるおかげで、平型のマグネット充電アダプタだったらなんとか装着可能。

ケーブルを近付けるだけで充電できるから実質これは無線充電。

リア側はこんな感じ。NP-01Sは左右非対称といっても極端に傾いてるわけじゃないから、ハーフエルゴノミクス形状とも言われてるらしい。

左側にはブランドロゴとサイドボタンを配置。

右側には装飾なども特になく潔し。

サイズは縦119ミリ、厚さ32ミリ。横幅は先端58.5ミリ、お尻63.5ミリだった。


重量は公称値どおりの69グラム。

付属品はちょっと寂しくてマウスレシーバー、延長用アダプタ、USBケーブルのみ。

USBケーブルは柔らかく触り心地もいいパラコード。コネクタ形状はType-A to Type-C。

ケーブル先端の形状がかなり独特なんだけど、突起みたいなところが充電ポートの溝にハマるガイドの役割を担ってる。

付属ケーブルはすこしだけリフトアップされていて、有線でもマウス操作の支障にならないように設計されてる。

延長アダプタの材質はプラスチックで高級感はあんまりない。

とはいえ、そんなところに質感を求めてもって話だし、マウス本体の仕上がりはかなりいい感じだから全然問題なし。
ZYGEN NP-01S Wirelessと他製品のスペック比較
| 製品名 | ZYGEN NP-01S Wireless | Dragonfly F1 Pro | Ninjutso Sora |
| 接続 | 無線 | 無線 | 無線 |
| センサー | PAW3395 | PAW3395 | PAW3395 |
| マウススイッチ | HUANO製ピンクドット | Kailh GM8.0 | HUANO製ピンクドット |
| ボタン数 | 5 | 5 | 6 |
| バッテリー容量 | 100時間/400mAh | 65時間/250mAh | 70時間 |
| 解像度 | 400~3,200 DPI | 50~26,000 DPI | 50~25,600 DPI |
| 最大ポーリングレート | 1,000Hz | 1,000Hz | 1,000Hz |
| 最大速度 | 650IPS | 650IPS | 650IPS |
| 最大加速度 | 50G | 50G | 50G |
| ケーブル | パラコード/ | パラコード | パラコード |
| オンボードメモリ | ✕ | ✕ | 〇(最大5つ) |
| ライティング | ✕ | ✕ | ✕ |
| サイズ | L118×W63×H37mm | L122×W64×H38mm | L121×W59×H37mm |
| 重量 | 69g | 53g | 47g |
| カラーリング | ●ブラック ○ホワイト ●ピンク ●イエロー ●ブルー ●オレンジ | ● ブラック ○ ホワイト | ● ブラック ○ ホワイト |
| 価格 | 18,900円 | 約7,200円 | 12,900円 |
まず、スペック上で優れてるのはバッテリーの持続時間。最大で100時間の連続使用ができるってのはかなり頼もしい。たぶん1週間ぐらい充電しなくても大丈夫。
そのかわり重量は一世代前の軽量マウス並みで、最軽量とはならなかった。
それと解像度の上限が最近のゲーミングマウスと比較するとかなり低め。センサー性能としては一応26,000まで設定できるはずなんだけど、過剰すぎる解像度はユーザーに求められていないからVAXEEは敢えて3,200に制限してるらしい。
ZYGEN NP-01 WirelessSの持ち方比較
続いて、NP-01S Wirelessの握り心地について解説する。
つまみ持ち


NP-01S Wirelessは低背の小型マウスだから「つまみ持ち」との相性は悪くない。
マウスと手のひらの間に充分なスペースがあるから、指先で細かく動かしてもマウスと手のひらが干渉しづらい印象。
ただ、小指をかなり立てないとグリップしづらいから手が疲れやすいのは難点。
つかみ持ち


そもそもが「つまみ持ち」「つかみ持ち」向けに設計されたマウスだから当然のことながら相性はいい感じ。
特徴的なハーフエルゴノミクス形状のおかげで、母指球と小指球でシェルを挟みやすく、指も違和感なくマウスに添わせられるから一番扱いやすい持ち方はコレ。
かぶせ持ち


繰り返しになるけど、NP-01S Wirelessは低背かつ本体幅も狭くしたマウスだから、基本的には「かぶせ持ち」には不向き。
というのも、低背がゆえに指の関節がまっすぐになりやすくメインボタンを押しにくい。小指もかなり窮屈で、マウスよりは薬指に添わせる感じになるはず。
総合評価
ボディ表面が指に吸い付くような質感だから、指先とかも滑りにくくてガッシリとしたホールド感がいい感じ。
おすすめの握り方は「つかみ持ち」「つまみ持ち」なんだけど、超軽量というほどの重さじゃないから最近の軽いマウスを使っている人からすると「つまみ持ち」操作はちょっと疲れやすい気もする。
ということで、母指球や小指球といった手のひらの一部でマウスを安定させる「つかみ持ち」ユーザーにぜひとも触れてみて欲しいマウスというのが結論。
ZYGEN NP-01S Wirelessの仕様
最後に、NP-01S Wirelessの仕様を紹介していく。
センサーは超定番の「PixArt PAW3395」、メインスイッチには「Huano Black Shell PinkDot」という構成。
常用できるボタンは合計5つで、デフォルトの設定は下記のとおり。

- 左クリック
- 右クリック
- ミドルクリック
- 進むボタン
- 戻るボタン
外観チェックのところでも見たけど、VAXEE製品はマウス底面のボタンが特徴的。
それぞれの設定は下記のとおり。

- DPI変更(400/800/1,600/3,200)
- ポーリングレート変更(125/500/1,000)
- クリック応答速度(2/4/8ms)
プラグアンドプレイ対応
NP-01S Wirelessはドライバ不要のプラグアンドプレイが実装されていて、具体的にはLoDとかの設定がすべてマウスボタンで完結できるようになっているんだ。
設定項目は下記のとおり。
| 設定項目 | 対応ボタン | 確認 |
| LoD(低:0.5mm) | ポーリングレート+電源スイッチオン | 125Hzが点滅 |
| LoD(高:1.0mm) | 1,000Hzが点滅 | |
| Motion Syncオン | DPI+電源スイッチオン | DPIランプが緑色に点滅 |
| Motion Syncオフ | DPIランプが青色に点滅 | |
| 競技モード | クリック速度+電源スイッチオン | 全クリック速度ランプが点滅 |
| 通常モード | 4msのみが点滅 |
PixArt PAW3395センサー

センサーはやっぱりPixArt製のPAW3395を使用。
自社開発していないメーカーは現状これ一択で、数多のゲーミングマウスに搭載されているから性能については語る必要もないぐらい。
他と違うところといえば、VAXEEは解像度にあえて制限をつけていて、最高でも3,200dpiまでしか設定できないんだ。
ただ、FPSとかだと800dpiぐらいまでの設定が一般的だから解像度を上げたところでって感じだし、今のところは特に問題ないかなとは思う。ちなみにポーリングレートは最高1,000Hzまで。
センサーは先端47からミリ、お尻から57ミリのところに配置。

先端側に寄ってるけどセンサーはほぼ重心の位置にある。
スイッチ
メインボタンのスイッチにはHuano製ピンクドットを導入。
キーボードでいう茶軸みたいな立ち位置で、明瞭感がありながら硬すぎない押し心地が特徴になる。
クリック音はボディが堅牢なおかげなのか意外と静音。

サイドボタンにはHuano製ホワイトドットに、丸みを帯びたクリアパーツを使用。
出っ張りはそこまでないんだけど、表面がボディよりもさらに抵抗のある肌触りだから押し間違いとかはしなさそう。メインボタンよりも軽く押し込むことができて、反発もしっかり感じられる。

ホイールは強めのノッチ感があるんだけど、表面の溝がしっかりと指先に引っかかるから回しやすい印象だ。

回転音はうるさすぎるわけでもなく至って普通。
ただし、ミドルクリックは思ったよりも硬め。押し込む距離が浅いからなのかクリックの感触が他社製品よりもわかりにくい気がする。
設定をさらに細かく調整することはできない
NP-01S Wirelessはドライバ不要のプラグアンドプレイ対応ってのは前述のとおりだけど、逆にいえばソフトウェアがないから細かい部分の調整はできないんだ。
DPIはデフォルトの4つからしか選べないし、マクロ機能やジッター補正も使うことはできない。
他社製品で当たり前だった機能に慣れている人からするとちょっと使いづらいかもしれないから注意が必要。
G-Wolves Hati-Sから乗り換えます

NP-01S Wirelessは価格こそハイエンド級に高いんだけど、全体的には満足できる仕上がりだった。
センサー性能は文句ないし、滑りづらいマットな表面もいい。平型のマグネット充電アダプタがあれば半無線充電もできちゃう。
特に、低背かつ緩やかなエルゴノミクス形状が他社製品にはない握り心地で、「つかみ持ち」ユーザーにはぜひとも体験してもらいたい。僕はたぶんG-Wolves Hati-Sから乗り換える。
願わくばもうすこし軽量化したモデルがあると嬉しいけど、それはVAXEEの今後に期待。
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