
SonyのWF-1000XM4みたいな高級イヤホンが注目される一方で、メーカー各社が1万円以下でも買える質のいいを製品を揃え始めている。
コスパが売りのAnkerもこれには焦りを見せていて、魅力的な商品開発を進めている。
そして2022年最初に発売されたのがSoundcore Life P2iだ。今回はAnkerで最安のワイヤレスイヤホンをレビューしていく。
破格の値段が推しポイント

Soundcore Life P2iの最大にしてほぼ唯一のメリットが値段。
Amazonで4290円税込み。
ちゃんとしたメーカーのイヤホンでこれは最安レベル。いつもどおり安心の18ヶ月保証も付いているのが流石だ。
Soundcore Life P2iはビジネス向け

後述するけど、Soundcore Life P2iはできるだけ機能を削って価格を抑えたイヤホン。付加価値はマジでノイズリダクションぐらいしかない。
だから音質とか機能は他シリーズに負けていて、音楽を楽しみたい人には正直向いていない。
とはいえ4,000円と思えば妥協できる品質ではあるから、このイヤホンが活躍できるのは通話を必須のビジネスシーンだ。
Soundcore Life P2iのスペック

Soundcore Life P2iのスペックを去年発売されたコスパ最強イヤホンSoundcore Life P3と比較したのが下記。
| Soundcore Life P2i | Soundcore Life P3 | |
|---|---|---|
| イヤホン本体 使用時間 | 8時間 | 7時間 ANC使用 6時間 |
| ケース込み 使用時間 | 28時間 | 35時間 |
| ノイズキャンセリング機能 | ✕ | 〇 |
| ノイズリダクション機能 | 〇 | 〇 |
| Bluetoothコーデック | SBC、AAC | SBC、AAC |
| 防水性 | IPX5 | IPX5 |
| ワイヤレス充電 | ✕ | 〇 |
| 重量 | 45g | 60g |
| 値段 | 4,290円 | 7,990円 |
これが4,000円という価格差の実態。Soundcore Life P2iにも良いところはあるんだけど、比較すると付加価値の物足りなさを感じる。
バッテリー持ちはいい
下位グレードのSoundcore Life P2iはイヤホン本体のバッテリー持ちがよくて、Soundcore Life P3よりも1時間長く使うことができる。
Bluetooth 5.2を採用しているおかげでもあるんだけど、余分な機能が1つもないから。
ANCもなければ、タッチセンサーもない。機能性の排除で得られた数少ないメリットがこれ。
Soundcore Life P2iは値段相応

Soundcore Life P2iはケースもイヤホンもほぼAirPodsで、Ankerじゃなかったらパチモンって言われてもおかしくないレベル。
付属品はUSBケーブル(Type-A to C)とイヤーピース4個。

Soundcore Life P2iのケースサイズは薄型コンパクトで、Soundcore Life P3と比較したのがこれ。

Soundcore Life P2iのほうがさらに薄い。ワイシャツの内ポケットに入れても全然気にならないから、持ち運びはマジで手軽。
ケースの蓋は指輪式なんだけど、本体が縦長だから握りやすくて片手でも蓋を開け閉めしやすくて個人的にポイント高め。

ケースの充電は毎度おなじみUSB Type-C。

イヤホン形状はよくあるうどん型。

重量はイヤホン単体で2g。

ケース込みでも45gだから卵1個よりも軽い。

うどん型は装着していてもデザインがスタイリッシュで好き。

操作が物理ボタン
これが最高で、Soundcore Life P2iを買う決め手になりうる。
最近のタッチセンサーは感度も悪くはないんだけど、連続でタッチする操作はちゃんと操作できているかが感覚的にわかりづらくて苦手。

改めて物理ボタンで操作してみるとこっちのほうが使いやすい。
ちなみに操作方法は全部で10種類でまとめたのが下記。
| 通常モード | モノラルモード | |
|---|---|---|
| 右 1回押し | 音量アップ、着信応答 | 着信応答 |
| 右 2回押し | 再生/一時停止、通話終了 | 再生/一時停止、通話終了 |
| 右 3回押し | イコライザー切替 | |
| 右 長押し | 次の曲へ、着信拒否 | 着信拒否 |
| 左 1回押し | 音量ダウン、着信応答 | 着信応答 |
| 左 2回押し | 音声アシスタント、通話終了 | 再生/一時停止、通話終了 |
| 左 3回押し | イコライザー切替 | |
| 左 長押し | 前の曲へ、着信拒否 | 着信拒否 |
必要な操作はほぼ備わっているんだけど、操作方法を任意で変更できないのがたまに傷。
フィット感良好
Soundcore Life P2iは装着したとき、密閉性が高くて想像以上に良かった。
どうしてそんな違いがあるんだろうと思って調べてみたら、Soundcore Life P3と比較してみるとイヤーピースの質が向上していたからなんだ。
イヤーピースの色がより濃いほうがSoundcore Life P2i。

シリコンが分厚くなっていて、より弾力性があるから耳の形にしっかりとフィットしているのを感じられる。わかりづらいけど細かいが着実に改善されていた。
Soundcore Life P2iは最低限の音

Soundcore Life P2iを使ってみて、音質は期待しないほうがいいというのが正直な感想。
対応コーデックはSBC/AACだからハイレゾ音源を再生できるLDACには非対応。まあ4,000円のイヤホンなんだから音質について文句は言えない。
ただ廉価イヤホン特有のドンシャリ感はだいぶ改善されているのが好印象。
迫力のある音質
意外だったのはSoundcore Life P3よりも全体的に音量レベルが大きいこと。

スマホの音量レベルを最低にするとSoundcore Life P3ではほぼ聞こえない音でも、Soundcore Life P2iはしっかりと捉えることができる。
これは本体のダイナミックドライバーが大型の10mmを搭載しているからだ。

軽量コンパクトなイヤホンなんだけど、オーディオコンポで聞いているかのような音の大きさと迫力のある低音を体験できる。
通話のノイズリダクションはまずまず
Soundcore Life P2iの備わっている数少ない機能がノイズリダクションだ。
イヤホン本体に片耳合計3個の収音マイクが搭載されていて、自分の声以外の環境音を除去したクリアな通話が可能。

高級イヤホンに肩を並べる質ではないけど、使用感はまったく問題ないレベル。
Soundcore Life P2iの付加価値
Soundcore Life P2iにあるノイズリダクション以外の付加価値が下記。
- 2種類の切替イコライザ機能
- 防水IPX5
- 片耳操作ができる
群雄割拠のイヤホン業界で、これだけの機能でリリースするのはむしろチャレンジャー。
2種類の切替イコライザ機能

物理ボタンを3回押すことで低音が増幅されるベースモードと、音声をクリアにするポッドキャストモードに切替が可能。
申し訳ない程度に備わっている機能なだけあってベースモードの質が微妙。
低音を強調するというよりは、ボーカルの声を曇らせることで無理やり聞こえやすくしている印象だ。これならまだ綺麗に聞けるポッドキャスト一択。
防水IPX5
防水性は上位グレードと同等レベルのIPX5。
雨に打たれるぐらいならOKだけど水溜りに落とすのはNGなかんじだ。
とはいえIPX8やIP68レベルじゃないと壊れるかどうかは運みたいなもんだから、お守り程度の認識にしておくのがが吉。
片耳操作ができる
Soundcore Life P2iは片方のイヤホンを充電ケースに戻すと、自動でモノラルモードに切り替わってくれる。
これのメリットはボタン操作も片耳用に設定されるんだ。

使える操作が限定されるんだけど、着信の応答や通話の終了、音楽の再生や停止はできるからイヤホン片耳使いの人も困ることはほぼない。
Soundcore Life P2iの欠点
Soundcore Life P2iを使ってみて感じたデメリットが下記。
付加価値がなさすぎ
Soundcore Life P2iの有力な付加価値はノイズリダクションと片耳操作ぐらい。
価格による機能性の限界を感じざるを得ないイヤホンなんだ。
アクティブノイズキャンセリングを搭載してくれとは言わないけど、せめて無線充電には対応して欲しかった。有線ケーブルを机に置いておくのは邪魔だし充電の度に差すのもめんどう。

品質が安っぽい
Soundcore Life P2iは見た目でも4,000円感が否めない。
無駄な装飾は一切なし。ケースもイヤホンも室内の照明をガッツリ反射する光沢持ち。ボディビルダーかよってぐらいツルッツルだ。

せっかくの物理ボタンを採用したんだからもう少しデザインにこだわりを見せてほしい。
アプリに非対応
Soundcoreシリーズは自由度の高いイコライザ設定ができる公式アプリに対応しているのも売りの1つなんだけど、Soundcore Life P2iは残念ながら非対応。
ボタン操作や音質のカスタマイズができないのは、知っている俺からするとやっぱり寂しい。
Soundcore Life P2iはビジネス向け

Soundcore Life P2iはただただ価格を抑え込んだ激安イヤホン。高音質も付加価値もすべて置き去りにしてイヤホン業界に殴り込んできた。
だから音質に拘りないけどクリアな通話がしたい人、なるべく安くて信頼できるイヤホンが欲しい人にはこれが最適解かもしれない。
喧噪の中でも通話でしっかり意思疎通を取りたい場面なんて仕事以外にないから、Soundcore Life P2iはサラリーマンこそ使いこなすことができるイヤホンだ。
最大の壁はSoundcore Life P3

ほとんどの人は音質や使い勝手を気にするはずだから、正直Soundcore Life P2iを選ぶべきじゃない。
なぜなら、もう5,000円出資するだけでSoundcore Life P3が手に入るから。アクティブノイズキャンセリングや無線充電、アプリ対応していて価格は1万円以下。断然こっちのほうがお得。
Soundcore Life P3のレビュー記事は下記。コスパ怪物イヤホンを知りたい人はぜひ見てほしい。