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【REDMAGIC 8 Proレビュー】独自路線で輝くスマホ

2023年3月5日

レビュー評価:(3)

この記事のまとめ

本記事では、「REDMAGIC 8 Pro」について徹底レビューします。

今年もスマホメーカー各社から新作が続々発表されるはずなんだけど、2023年国内で初のSnapdragon 8 Gen 2搭載スマホが登場。その名もREDMAGIC 8 Pro。

知る人ぞ知るREDMAGICシリーズの最高峰モデル。他にはない独自路線をひた走る彼を皮切りに今年もスマホレビューを始めていくことにする。

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メリットデメリット
  • ゲーム特化機能
  • ショルダートリガー付属
  • 長時間バッテリー持ち
  • カメラが弱い
  • 一般的な付加価値なし

本記事の目次(タップでジャンプ)

REDMAGIC 8 Proの特徴

REDMAGIC 8 Proは一風変わった独自機能を備えまくっているスマホでその特徴は下記のとおり。

  • 6.8インチ有機ELディスプレイ(120Hz駆動)
  • Snapdragon 8 Gen 2
  • トリプルカメラ(広角、超広角、マクロ)
  • デュアルSIM対応(nanoSIM×2)
  • 6000mAhバッテリー
  • 65W急速充電
  • 冷却システム搭載
  • Wi-Fi7対応
  • 定価103,800円

省電力性能に長けたチップセットかつ6000mAhの超大容量バッテリーを搭載したスマホは他に例がなく、バッテリー持ちが正直気になるところ。

そして決定的な違いになるのが冷却ファンの存在だ。もはやパソコンですやん。

ただし、同価格帯のスマホには一般的に備わっている望遠カメラ、無線充電、おサイフ機能を持ち合わせてはいない。

REDMAGIC 8 Proは

REDMAGIC 8 Proは厨二心くすぐる凝ったデザインをしていて、ボディ背面はさらさらとした手触りのプラスチック素材。

別カラーだと強化ガラスが使われているらしい。

四隅にはSF感を演出するような要素が散りばめられていて、充電中とかに装飾の所々でRGBライトが点灯する。

下部にはトランスフォーマーを彷彿とさせるロゴマークが謄写。

一方でカメラ部分はボディのデザインに比べると必要最低限な感じで控えめな印象。上から順番に広角、超広角、マクロレンズを搭載。

側面フレームには光沢感のない金属製。形状はスタイリッシュな雰囲気のあるフラットタイプ。

インターフェースは上面にスピーカー、ノイズキャンセリングマイク、3.5mmイヤホンジャック。

下面はスピーカー、Type-C端子、マイク、SIMスロット。

SIMスロットは裏表式で2枚の物理SIMを挿入可能。

右側面には電源ボタンとマイク。特徴的なのが冷却ファンの吸気口、両端のタッチパッド、ゲームモード切替ボタンを備えているところ。

左側面に冷却ファンの吸気口と音量調整ボタン。

正面には6.8インチサイズの大画面有機ELディスプレイ。リフレッシュレート60/90/120Hz駆動にもしっかり対応。

注目して欲しいのがフロントカメラ。なんと画面内に埋め込んでしまうことで存在感を消しているんだ。

ただ、ブラウジングでは結局通知バーが存在してるし、Youtube動画とかも画面比率が16:9なので普段使いでは恩恵を感じにくいかも。

ベゼルレスを意識しているから受話口兼フロントスピーカーも全然目立たない。

指紋センサーは物理じゃなくて画面内仕様。認識速度は問題ないけど、精度は他社よりもわずかに劣る印象。

スマホ本体の音質は中音域は広がりすぎて中身がないように感じる。ヴォーカル音はiPhoneとかのほうが圧倒的に聞きやすい。

サイズ感を比較したのが下記。左かiPhone 14 Pro、REDMAGIC 8 Pro、Pixel 7 Pro。

縦横どちらもPixelとあんまり違いはないんだけど、側面形状のせいかちょっと持ちづらい感じがする。

裸での重量は228グラムで、付属の保護ケースを付けた状態だと246グラム。ゲーミング特化にしたデメリットが顕著に出ている。

REDMAGIC 8 Proの詳細なスペック

REDMAGIC 8 Proの詳細なスペックが下記。参考に日本市場の数少ないゲーミングスマホPOCO F4 GTと比較する。

 REDMAGIC 8 ProPOCO F4 GT
チップセットSnapdragon 8 Gen 2Snapdragon 8 Gen 1
メモリ12/16GB8/12GB
ストレージ256/512GB128/256GB
ディスプレイ6.8インチ(120Hz有機EL)6.7インチ(120Hz有機EL)
解像度FHD+(2,400 x 1,080)FHD+(2,400 x 1,080)
カメラ広角カメラ(50MP)
超広角カメラ(8MP)
マクロカメラ(2MP)
フロントカメラ(16MP)
広角カメラ(64MP)
超広角カメラ(8MP)
マクロカメラ(2MP)
フロントカメラ(20MP)
バッテリー・充電6,000mAh(65W)4,700mAh(120W)
認証顔/指紋認証顔/指紋認証
SIMスロットnanoSIMnanoSIM
eSIM
おサイフ
ワイヤレス充電
防水・防塵IP53
サイズ164×76×9 mm163×77×9 mm
重量228g210g
価格103,800円74,800円

カタログスペック的にはメモリ、ストレージ、バッテリー容量が拡大していてカメラ部以外はPOCO F4 GTの上位互換スマホになる。

ただし、POCO F4 GTはMNP割引を使えば6万円以下で購入できてしまう状況。ゲーム性能だけだとそこまで違いはないから防水防塵規格と価格差が悩ましいところだ。

REDMAGIC 8 Proの処理能力

REDMAGIC 8 Proは最新チップセットSnapdragon 8 Gen 2を搭載しているから超高性能。

ベンチマークの結果は過去最高でAntutu Benchmarkが約129万点。Geekbench6ではシングル2,006点、マルチ5,562点だった。

ちなみに、僕が過去に計測したスマホとAnTuTu Benchmarkスコアを比較したのが下記。

  • REDMAGIC 8 Pro(Snapdragon 8 Gen 2):1,287,876
  • POCO F4 GT(Snapdragon 8 Gen 1):988,836
  • iPhone 14 Pro(A16 Bionic):943,167
  • Google Pixel 7 Pro(Google Tensor G2):748,946
  • Google Pixel 6a(Google Tensor):746,562
  • iPhone SE3(A15 Bionic):734,950
  • Xperia 10Ⅳ(Snapdragon 695 5G):392,567
  • OPPO Reno7 A(Snapdragon 695 5G):380,669
  • Redmi Note 11 Pro 5G(Snapdragon 695 5G):364,419
  • Redmi Note 10 Pro(Snapdragon732G):339,728
  • Redmi Note 11(Snapdragon680):235,149

他を寄せ付けない圧倒的な処理能力を誇る。

それに伴って発熱も凄いのかなと思っていただけど、少なくともベンチマークアプリでは全然熱くならず最高温度は38℃前後だった。

ファンを始めとしたICE 11.0冷却システムの影響が凄くてベンチマークアプリを連続検証してもパフォーマンスは特別落ちることなく安定したハイスコアを叩き出してくれた。

6,000mAh/約25時間の電池持ち

Snapdragon 8 Gen 2は高性能だけなく省電力性も優れたチップとして好評で、超大容量バッテリーと相まってバッテリー持ちも過去最高の記録になった。

具体的には、PC Mark for Androidで計測したところ100%から20%になるまでの時間は19時間51分。(測定条件:明るさ50%、音量50%、リフレッシュレート60Hz)

これを100%から0%までに再計算すると24時間48分となる。過去に計測したスマホと比較するとこんな感じ。

  • REDMAGIC 8 Pro(60Hz):24時間48分
  • REDMAGIC 8 Pro(120Hz):23時間32分
  • Xperia 10Ⅳ(60Hz):20時間52分
  • Redmi Note 11(90Hz):18時間7分
  • OPPO Reno7 A(90Hz):15時間41分
  • Pixel 7 Pro(60Hz):13時間55分
  • Pixel 6a(60Hz):13時間31分
  • Redmi Note 11 Pro 5G(120Hz):12時間30分
  • Redmi Note 10 Pro(120Hz):12時間5分
  • Pixel 7 Pro(120Hz):12時間3分
  • iPhone 14 Pro(120Hz):10時間42分
  • POCO F4 GT(120Hz):10時間18分
  • iPhone SE3(60Hz):7時間21分

120Hz駆動でも18時間以上使えてしまうんだからこれは圧巻。

どのメーカーでもバッテリー容量は5,000mAhぐらいが主流なんだけど、その牙城をついにREDMAGICが崩しにかかった。充電に困らないスマホはREDMAGIC 8 Pro一択。

REDMAGIC 8 Proの動作確認

REDMAGIC 8 Proの頭脳は2023年上半期において最強レベル。

この性能で動かせないアプリは現状存在しないんだけど、実際にアプリやゲームをして動作確認をしていく。今回検証したアプリは下記のとおり。

  • Yahooニュース
  • ポケモンGO
  • ウマ娘
  • ライフアフター
  • 原神

また、検証した動作は下記の5段階で評価していきます。

  • ストレスのない快適な動作
  • 快適な動作
  • 普通の動作
  • 重めの動作
  • 使うのは厳しい

Yahooニュース

Yahooニュース動作はもちろん何も問題なしで、評価は『ストレスのない快適な動作』。

スクロールやページ遷移も120Hz表示で超滑らか。

ただiPhoneはタップしてすぐ記事や動画が表示されるのに対して、REDMAGIC 8 Proは読み込みマークが一瞬出てくるから比較するとちょっと遅延を感じなくもない。

ポケモンGO

ポケモンGOの検証結果は『ストレスのない快適な動作』。

どの操作でもカクつきは一切感じないし、表示領域も広いからボール操作が結構な印象。

ウマ娘

ウマ娘の検証結果は『ストレスのない快適な動作』。

ゲーム本編とかは何の違和感もなくプレイできるけど、デフォルトの音質だとライブシーンの歌声が微妙な感じがする。余すことなく楽しむならイヤホン推奨。

ライフアフター

ライフアフターの検証結果は『ストレスのない快適な動作』。

デフォルトの画質は円滑。高画質にしても動作は至って正常。ゲーム自体の解像感はそこまで高くないんだけど、高フレームレートでヌルッとした視点切替が楽しめる。

原神

原神の検証結果は『ストレスのない快適な動作』で遊ぶことができる。

デフォルトの設定は画質「中」、フレームレート「30」。とはいえ最高画質でフレームレートを60fpsにしても特に問題はなし。

1時間プレイしても冷却ファンのおかげで発熱もあんまり感じなかった。

REDMAGIC 8 Proのカメラ性能

ここからはREDMAGIC 8 Proのカメラ画質をチェックしていく。

REDMAGIC 8 Proのカメラ構成は下記の通り。

  • 5,000万画素 標準広角カメラ
  • 800万画素 超広角カメラ
  • 200万画素 マクロカメラ

画質はPixel 7 Proと比較。写真はAI補正オンのオート撮影、JPEG撮って出し。夜景はナイトモード利用。

標準広角カメラ比較

まずは標準広角カメラで撮影した写真を比較します。

ゲーミングスマホなのに広角カメラの映りは意外と悪くない。中華スマホらしくコントラスト高め、シャープを強調してハッキリとした印象の写真に仕上げてきた。

順光条件での撮影はPixel 7 Proと微々たる差。REDMAGICは空の青さを着色しすぎたせいでちょっと暗めに見える。

明暗差の激しい場所での写真。これは暗所部分にノイズが浮かんで解像感が薄れた。あと空の色味がちょっと紫色に寄っていて違和感がある。

REDMAGICはダイナミックレンジが狭い。奥の空が白飛びしていて雲の形が分からない。対してPixelは相変わらず安定している。

花の写真。背景ボケは同じぐらい。Pixelが見たままを写したのに対して、REDMAGICは純白さが際立つような明るい写りになった。

超低照度での夜景撮影。REDMAGICは暗所を結構持ち上げるんだけど、右側の木が緑色に着色されているのが気になる。Pixelは街灯のフレアが強め。

これも傾向は同じ。明るすぎてREDMAGICは橋のライトアップが淡くなった。ノイズはPixelのほうが少ない優秀。

比較的明るい場所での夜景撮影。看板はやっぱり白飛びしてしまって、Pixelだと確認できる文字が完全に潰れてしまった。歩道のタイルも解像感が低い。

超広角カメラ比較

続いて、超広角カメラでの写真を比較します。

超広角カメラは全体的に鮮やかさが欠けて違和感がすごい。色落ちしてしまった昔の写真みたいな写りになった。

やっぱり色補正がおかしい気がする。あと画角もちょっとだけ狭い。

明暗差の激しい場所での撮影。夜景でもないのにすでに画質の劣化が激しい。とはいえ、Pixelも建物の陰に謎のノイズが発生。なにこれ。

昼間でも超広角カメラを使った撮影は厳しい印象。当然Pixelの敵になるような存在ではなかった。

超低照度での撮影。REDMAGICの超広角カメラはナイトモードを利用することができずマジでそのままの明るさ。

暗所ではとてもじゃないけど使い物にならない。全部黒潰れするだけ。

光量のある場所だとそれはそれでノイズが目立つから汚い。看板はほとんど白飛びしてるし、街灯もフレアだらけで奥が全然見えなくなった。

REDMAGIC 8 Proのカメラ評価

すごい期待があったわけじゃないけどカメラ性能はやっぱり中級レベル。

標準広角カメラは被写体を明るく写してくれるし、シャープも強めだから案外悪くない写真に仕上げてくれる。ゲーミングスマホだからと侮ることなかれって感じ。

ただ、超広角カメラは昼夜ともに使える代物じゃなくて迫力のある写真撮影はできないと思ったほうがいい。そもそもナイトモードが搭載されてない時点でメーカー側も半分諦めてる気がする。

ゲームに特化しまくった機能

カメラ性能はイマイチだけど人々がREDMAGICに求めているのはそんなところじゃない。最高の処理能力だけでなくそれをサポートする独自機能こそが本質なんだ。

具体的に備わっているゲーム関連の機能が下記のとおり。

  • ICE 11.0冷却システム
  • 独自ゲーミングモード
  • ボタン割当可能なショルダートリガー
  • バッテリーに優しい充電分離

ICE 11.0冷却システム

最高の処理能力に必ず付きまとうのが本体の発熱問題だ。

長時間ゲームをプレイしてると背面が熱くなって指が不快になったり、最悪の場合はパフォーマンスの低下にまで影響する。

その対策としてREDMAGIC 8 ProにはCPU冷却用のファンが搭載されていたり、

熱を効率よく分散させるグラフェンシートや液冷プレートを備えているから発熱をほとんど感じないゲームプレイが期待できるスマホに仕上がっているんだ。

独自ゲーミングモード

REDMAGIC 8 Proは側面のスライドスイッチを切り替えることでゲーミングモードが起動するんだけど、プレイヤーが困惑するぐらい設定が充実しすぎ。

音響関連はもちろんGPU、表示色彩、通知まで自由自在に変更可能。

ボタン割当可能なショルダートリガー

スマホゲームは場所を選ばず気軽に遊べる代わりに、小さな画面の四隅に各ボタンが密集するから押し間違いを起こしがちなんだけどそこで活躍するのがゲーミングスマホ特有のショルダートリガー。

任意のボタンを割り当てることで攻撃モーション、スキル、ADS切替などを瞬時に操作できる。ソシャゲ依存度が高いほど有用性を感じるはずだ。

バッテリーに優しい充電分離

バッテリーはスマホの心臓といえるぐらい重要でその寿命が約3年って話は既知の事実だと思う。

一般的には度重なる充電が原因なんだけど、REDMAGIC 8 Proには充電分離が備わっていて直接スマホに電力供給することができるんだ。

バッテリーに負荷をかけないから寿命が減らず長年愛用できるって仕組み。

外部ディスプレイに出力可能

あとREDMAGICにはテレビやモニターのような外部ディスプレイにスマホ画面をミラーリングする機能が備わっていて、ゲームや動画を大画面で楽しむことができるんだ。

専用ソフトをダウンロードすればWi-FiやUSB接続ができて、モニターならHDMI変換ケーブルで出力が可能。

ただ、最近のテレビは動画サービスに対応しているのが当たり前だし、モニターがある環境にはパソコンも必ず存在するからわざわざスマホの映像を出す意味がまったくないのが現状。

原神とかを大画面でプレイするみたいな明確な目的がないと無用の長物となる可能性が高い。

付加価値はほとんどない

そしてREDMAGIC 8 Proはゲーム機能以外の付加価値がほぼゼロなのも痛いところ。

排熱口があるから防水性能は皆無だし、10万円を超える価格なのにFelicaや無線充電も備えていない。

一応海外スマホでもNFC Type-A/Bには対応してるから、キャッシュレス決済でQRコードかNFC決済を選ぶことは可能。ただ、REDMAGIC 8 Proでは交通系ICカードの呪縛から逃れられない。

最高の処理性能だけどゲームしないなら不要

現状スマホ界隈で最強の処理性能を誇るのがREDMAGIC 8 Pro。冷却ファンを始めとした排熱機構もしっかりしてるからパフォーマンスが低下しないのも魅力的ではある。

ただ、九割以上のユーザーにはオーバースペック。

REDMAGIC 8 Proが悪いわけじゃないけど、同じ価格を出すぐらいならFelicaや無線充電にも対応したGalaxyやPixelが勝る。カメラがもう少し強ければ趣向品としてはアリだったかもしれない。

いずれにしろゲーミングスマホをメインにするのはまだ厳しい印象だった。

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